歴史
2019年にUAEで開催されるアジアカップは第17回目の大会となる。第1回大会が行われたのは1956年で開催地は香港だった。第1〜3回大会の出場国はわずか4ヶ国。その後、徐々に参加国が増え、日本が優勝した14年中国大会で初の16ヶ国となった(その後、15年大会まで16ヶ国)。
19年UAE大会では史上最多の24ヶ国が出場。参加国が増えたことでアジアカップ出場の機会は増え、初出場国は3ヶ国(キルギス、イエメン、フィリピン)となった。
この他、アジアカップには現在はヨーロッパサッカー連盟に所属するイスラエル代表が出場(4回)していたり、今は存在しない国(南ベトナム代表、南イエメン代表)が出場していた時期もある。
最近起こった最大の変化はオーストラリア代表のアジアカップ参加。以前はオセアニアサッカー連盟に所属していたオーストラリア代表だが2006年に脱退し、アジアサッカー連盟へ移行した。
以後、オーストラリア代表は2007年大会から今大会まで4大会連続で出場。前大会においては、初の母国開催&優勝をした。
優勝回数
優勝回数 | 代表 | 年 |
4 | 日本 | 1992,2000,2004,2011 |
3 | イラン | 1968,1972,1976 |
サウジアラビア | 1984,1988,1996 | |
2 | 韓国 | 1956,1960 |
1 | イスラエル | 1964 |
クウェート | 1980 | |
イラク | 2007 | |
オーストラリア | 2015 |
アジアカップ最多優勝国は日本代表。初優勝は92年日本大会と最近。ここ7大会のうち、4回優勝という驚異的な記録だ。
優勝回数を見て意外なのが韓国代表。2回優勝しているが、最後に優勝したのは1960年。ワールドカップ9大会連続出場(1986年〜)と、アジアでは圧倒的な強さを見せ続けたもののアジアカップでは50年以上優勝してないことになる。
通算得点記録
順位 | 選手 | 得点 |
1 | アリ・ダエイ(イラン代表) | 14 |
2 | イ・ドンゴク(韓国代表) | 10 |
3 | 高原直泰 | 9 |
4 | フウェイデイ(クウェート代表) | 8 |
ユニス・マフムード(イラク代表) |
通算得点記録1位はイラン代表のダエイ。印象的なのは96年アジアカップ準々決勝。イラン代表は韓国代表を6−2で下したのだが、この試合でダエイは4得点を挙げた。
日本人にとって印象深いのは4位にランクインしたクウェート代表のフウェイデイ。96年アジアカップ準々決勝の日本代表戦で2得点を挙げ、チームを2−0の勝利に導く。優勝を目指していた日本代表にとって、まさかの決勝トーナメント1回戦での敗退となった。
通算得点記録の上位を見ると、どれも90年代以降に活躍した選手ばかり。これは初期のアジアカップの参加国が少なかったこと(その分、試合数が少ない)が大きく関係している。
優勝監督
大会 | 監督 | 優勝 |
84 | ハリール・アッ=ザヤーニー(サウジ) | サウジアラビア |
88 | カルロス・アルベルト・パレイラ(ブラジル) | サウジアラビア |
92 | ハンス・オフト(オランダ) | 日本 |
96 | ネロ・ヴィンガーダ(ポルトガル) | サウジアラビア |
00 | フィリップ・トルシエ(フランス) | 日本 |
04 | ジーコ(ブラジル) | 日本 |
07 | ジョルヴァン・ヴィエイラ(ブラジル) | イラク |
11 | アルベルト・ザッケローニ(イタリア) | 日本 |
15 | アンジェ・ポステコグルー(オーストラリア) | オーストラリア |
上記は1988年〜2015年までの9大会分の優勝監督。
優勝国出身の監督は88年大会から15年大会まで27年間も誕生していなかった。上記の黄色部分は優勝監督が他国出身。7人の内、4人がヨーロッパ、3人がブラジル出身。
アジア出身監督の人材難を象徴する表となっている。
日本代表が優勝した4大会の監督は全て海外出身監督。19年大会で日本代表が優勝すれば、森保監督は日本人として初のアジアカップ優勝監督となる。
賞金
驚くべきことにアジアカップに優勝しても11年カタール大会まで賞金は出なかった。賞金が出るようになったのは15年オーストラリア大会からで、その時の賞金総額は1000万ドルだった。
19年UAE大会の賞金総額は1480万ドル(約16億5000万円)。内訳は下記の通り。
- 優勝 500万ドル(約5億6000万円)
- 準優勝 300万ドル(約3億3000万円)
- ベスト4 100万ドル(約1億1000万円)
- 参加 20万ドル(約2225万円)