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アジアカップは得点記録を伸ばすチャンス。その理由を解説

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大差のスコア

早くも10試合を消化したアジアカップ2019。その中で一つ目立つことがある。それは大差のスコアゲームだ。

10試合を終えた時点で4点差以上のゲームは3試合もある。

  1. タイ vs インド 1−4
  2. イラン vs イエメン 5−0
  3. サウジアラビア vs 北朝鮮 4−0

中東ということで気温・湿度等、色んなコンディションの問題もあるだろう。しかし、一番の理由は下記に集約できるのではないか?

FIFAランク

それは出場国のレベルの違いである。

こちらはアジアカップ2019に出場している全24ヶ国のFIFAランクを元に作成した表だ。

FIFAランク
〜50位 3
51位〜100位 14
101位〜 7

イラン、日本、オーストラリア、韓国などワールドカップに出場した国もあればFIFAランクでかなり下位のチームも多々ある。

FIFAランク101位以下のチーム数は実に7ヶ国。これは全体の約29%も占める。

強いチームと弱いチームが対戦すればその分、点差が広がるゲームも増えることになるだろう。

前述の4点差以上のスコアで敗れたチームは全てFIFAランク101位以下に該当する。

  • タイ代表 118位
  • イエメン代表 135位
  • 北朝鮮代表 109位

得点記録を伸ばすチャンス

ここでタイトル「アジアカップは得点記録を伸ばすチャンス」の説明になる。

レベルにバラツキがあると言えどもアジアカップはアジアカップ。17回の歴史を誇る国際大会であり、得点すれば国際Aマッチのゴールとして記録される。

これは選手にとってはキャリアを考えた時に、かなり大きなものになる。

どんな弱小国から奪ったゴールでも、プロフィール欄の国際Aマッチのゴール数に加算されるからだ。しかもアジアカップで点を取ったという名誉もついてくる。

また、アジアカップのような大きな大会では短期間で多くのゴールを奪えるチャンスがあることも選手にとっては魅力的だ。

今大会の開催期間は1月5日から2月1日まで。決勝まで進むと7試合も戦うことになる。わずか1ヶ月で国際試合を7試合も戦う機会はそうないだろう。

FIFAランク下位のチームが決勝トーナメントに進出するのが難しいと考えた時、選手にとってはグループリーグが得点数を稼ぐ良い機会になるだろう。

国際Aマッチの得点ランク

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世界での国際Aマッチ得点記録はどうなっているのだろうか?

FIFAランクにおいて下位のチームが多いアジア。その中で強いチームの選手はより多く得点する機会があるのではないか。予選などでは否が応でも試合をすることになるからだ。

そう考え、歴代の国際Aマッチスコアラーを調べてみた。その結果は下記の通り。

  1. ダエイ(イラン) 109ゴール
  2. C・ロナウド(ポルトガル) 85ゴール
  3. フェレンツ・プスカシュ(ハンガリー) 80ゴール

やはりというべきか、一位はイラン代表のダエイだった。しかも2位に20ゴール以上も差をつけている(強豪国との試合が多い中でのC・ロナウドの85ゴールはもっと価値がある?)。

ダエイと言えば、日本戦に強く通算で日本から4ゴールも挙げたイランのストライカーだ。そんなこともあり、彼を覚えている人も多いのではないか。

気になったので、109ゴールの内訳を調べて見た。

色々調べてみると、英語版wikipediaに彼の代表での全得点記録が記されていた。

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得点表を見てみると、彼の奪った109ゴールのうち、そのほとんどがアジアの国からだった。しかも、結構な割合でサッカーであまり聞いたことのないような国もある。

アジア以外で強豪国と言われるような国から奪ったゴールはメキシコ、ウクライナ、ボスニア・ヘルツェゴビナぐらい。

ダエイと言えばアジアを代表するストライカー。109ゴールというスコアはすごい。しかし、その内訳を見て少し拍子抜けする気もする。

因みに彼はアジアカップで通算14得点(96年大会は得点王)。アジアカップ予選に関しては23得点も挙げている。

つまり、ダエイはアジアカップ関連で通算37得点も挙げていることになる。全ゴールの3分の1も占める数字だ。

強引すぎる引き算をすると、もしアジアカップがなければ国際Aマッチのトップスコアラーは変わっていたかもしれない。

ダエイは引退後も国際Aマッチのトップスコアラーとして今も名を残す。記録面でもアジアカップは選手にとって大きな大会と言えるだろう。