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カタール代表と帰化選手

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アジアカップ2019決勝の対戦カードは日本代表対カタール代表となった。両国の対戦成績は2勝4分2敗(10得点10失点)と全くの五分。

日本代表が勝てばアジアカップで初の5度目の優勝、カタール代表が勝てば初優勝となる。

決勝の対戦相手がカタール代表と聞いて、すぐに「帰化」というワードを連想した人も多いのではないか? なぜなら過去にカタール代表は帰化に関することで何度も話題になったからだ。

今大会のカタール代表メンバーの中に帰化選手はいるのだろうか?

帰化に関するカタール代表の「過去」「現在」に迫る。

過去

帰化に関してカタールは過去に何度も話題を集めた。今回はその中でも特に大きく取り上げられた3選手を紹介したい。

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セバスティアン・ソリア
ウルグアイ出身のストライカー。「カタールの帰化選手」と聞いて、この選手を真っ先に思い浮かべた人も多いはず。彼はアジアカップに2度出場(2007,11年大会)し、共に日本代表から1ゴール挙げているからだ。

セバスティアンは2004年に21歳の若さでウルグアイからカタールへ移籍。その後、2006年にカタールに帰化することになる。

長年、カタール代表のストライカーとして活躍し、今では代表の最多出場記録(123試合)と最多得点記録(40得点)保持者でもある。

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アイウトン
2006年ワールドカップ予選の際、カタールはブラジル代表歴のないアイウトンにカタール国籍を与え、カタール代表にしようとした。

アイウトンといえば、ブンデスリーガで2003-04シーズンに得点王に輝いたストライカー。しかし、カタールリーグでのプレー経験はなく、カタールにルーツがある訳でもなかった。

この前代未聞の動きに対し、FIFAは

「代表歴のない国籍変更者及び国籍追加者であっても、変更あるいは追加する国に2年間以上の居住歴がない者は、変更あるいは追加した国籍の代表にはなれない」

と新たにルールを作り阻止した。


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エメルソン
2006年に当時アル・サッドでプレーしていたエメルソンにカタール国籍を与え、代表へ招集。

エメルソンといえばJリーグでもプレーしたブラジル人選手。2004年には浦和レッズで得点王も獲得した。

しかし、エメルソンにはU-20ブラジル代表としてワールドユースの南米予選に出場した過去があり、カタール代表でプレーする資格はなかった。

そんな中、カタール代表はエメルソンをワールドカップ2010アジア予選・イラク戦に招集し出場させる。カタールは試合に2−0で勝利したが、出場資格がないエメルソンがプレーしたことで大きな問題へ発展した。結局、この試合を最後にエメルソンがカタール代表のユニフォームを着ることは二度となかった。

アジアカップ2019

今大会のカタール代表メンバーに帰化選手はどの位いるのだろうか?

登録メンバーを調べたところ、海外にルーツを持つのは下記の6選手。

帰化選手はブディアフ、フーヒー、コレイア、アルラウィの4選手。

アリとアフィーフに関しては幼少期、または生まれた頃の話なので今回特集する帰化選手とはまた意味合いが違うかもしれない。しかし、一応記載しておく。

他にスーダン、エジプト系の選手もいるようだが、今回その点は省略する。

選手名 備考
カリム・ブディアフ フランス出身。ルーツはアルジェリア&モロッコ。
ブーアッラーム・フーヒー アルジェリア出身
ペドロ・コレイア ポルトガル出身
バッサム・アルラウィ イラク出身
アルモエズ・アリ スーダン出身。幼少期に家族とカタールへ移住。
アフィーフ 父はタンザニア、母はイエメン出身。
彼自身はカタール生まれ。

追記
2月1日の決勝を前に、カタール代表の帰化選手に関してニュースでも大きく取り上げられている。

FIFA規則第7条では代表資格者に関して

「18歳になった後、関係する協会の域内で少なくとも連続5年間にわたって暮らした選手」

と明記されている。

両親がその国の国籍を持つ場合は関係ない。問題はそれ以外のケースだ。

アリ(22)とアルラウィ(21)が、そのことで騒がれているので二人の両親はカタールの国籍を持ってない?のかもしれない。
そうなると年齢的に考えて、まだ二人は23歳になってないのでFIFA規則第7条に反することになる。

因みにアルラウィの父親は90年代にイラク代表として活躍した選手。アルラウィ自身もイラク出身な訳だが、今大会の決勝トーナメント1回戦でカタールはイラクと対戦。
なんとアラウィはその試合で決勝点を決めたのだ(試合は1−0)。普通にゴールを祝福したことからイラク国内では現在、そのことが大きな波紋を呼んでいるらしい。

カタール代表の帰化問題、しばらくの間、ニュースを騒がせそうだ。

なぜ帰化選手が多いのか?

代表に帰化選手が多い理由の一つとして、よくカタールの人口が挙げられている。

カタールの人口は271万人(2018年)。しかし、そのほとんどが外国人労働者でカタール人は25〜30万人しかいないと言われている。

30万人といえば、日本で最も人口が少ない鳥取県の57万人(2015年)より少ない数字だ。

そのため、どうしても帰化選手に頼らざるを得ないようだ。

因みに昨年のワールドカップに初出場して話題になったアイスランド代表。国の人口は34万人だそうだ。アイスランド代表は2016年に行われたユーロでもベスト8という輝かしい成績を残している。

カタール代表の未来へのヒントはアイスランドにあるかもしれない。

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