先日、久しぶりにワールドカップ1990の動画を見ていたら、
”改めてすごい!”
と感嘆されられた選手がいたので、今回はその件を特集したいと思います。
40歳でイングランド代表正GK
その選手とは、ピーター・シルトン。
彼は40歳の時にイングランド代表正GKとしてワールドカップ1990に出場。
全7試合に出場し、イングランド代表のベスト4進出に貢献したのです。
今でこそ40歳前後の選手はときどき見かけますが、90年代に40歳で現役、しかも代表選手としてワールドカップベスト4なんて超人ですね。
ピーター・シルトンとは?
少し、というかかなり気になったのでピーター・シルトンについて色々と調べてみました。
今回、この選手の存在を初めて知った方でも、彼の写真は既に何度か見たことがあるはずです。
まずは、その有名な写真から見ていきましょう。
こちらはワールドカップ1986での有名なシーン↑
そう、マラドーナの神の手ゴールです。
実はこの神の手ゴールが生まれた時、イングランド代表のゴールマウスを守っていたのがシルトンだったのです。
神の手ゴールの瞬間、マラドーナは目を瞑っていたので、シルトンはあの有名なゴールを最も間近で見ていた選手とも言えます。
このようにシルトンはワールドカップとは非常に関係の深い選手。
なんと、イングランド代表正GKとしてワールドカップには3度(1982,1986,1990)も出場しています。
シルトンのイングランド代表キャップは125試合!
イングランド代表では、1970年から1990年まで20年もの間、活躍しました。
こちらはシルトンのイングランド代表出場記録↓
これを見る限り、コンスタントに代表に召集されて出場していたことがわかります。
特に1980年からの10年間は96試合も出場。
まさに80年代のイングランド代表を象徴する選手です。
そんなシルトンですが、クラブレベルでは結構”地味”でした。
こちらがシルトンのクラブでのキャリア↓
こちらはクラブで獲得したタイトル↓
レスター・シティー、ノッティンガム・フォレスト時代にいくつかタイトルを獲得しているようですが、イングランド代表で20年もプレーした選手としては地味な印象が否めません。
しかし、逆に言うと、ビッグクラブに在籍せずにイングランド代表のゴールマウスを守り続けたと言うことは相当な実力があったという証。
シルトンはワールドカップ1990の後に代表を引退。
クラブレベルでは1997年までプレーし、47歳の時に現役引退しました(やはり超人ですね)。
現在はサッカー指導者として活躍しているそうです。
まとめ
以上、40歳でイングランド代表正ゴールキーパーとしてワールドカップに出場した男ピーター・シルトンの話でした。
ゴールキーパーは他のポジションに比べて、運動量が少ないことから現役生活が長くなる傾向にあります。
ワールドカップ最年長出場記録を見ればそれがわかります。
現在のワールドカップ最年長出場記録は、ワールドカップ2018で記録したエジプト代表GKエル・ハダリの45歳と161日。
それ以前の最年長記録は、ワールドカップ2014のコロンビア代表GKファリド・モンドラゴンが記録した43歳と3日。
どちらともゴールキーパーでした。
しかし、シルトンは年齢ではこの2選手に負けても、内容では次元が違います。
エル・ハダリが出場したのはグループリーグの1試合だけ。
ファリド・モンドラゴンに関しては、グループリーグ3戦目の85分からの途中出場(ちなみに、それは日本戦でした)だけ。
これに対し、ピーター・シルトンの場合、40歳でワールドカップ1990全7試合(延長戦3試合含む)に出場し、ベスト4進出に貢献。
格が違うというか、凄すぎですね。
しかも1990年の話。
現役高齢化が進むこれからの時代でも、40歳でこれだけの実績を出せる選手はそう出てこないでしょう。
ベテランプレイヤーの活躍が話題になる昨今、かつて40歳でワールドカップベスト4進出に貢献した選手がいたということを覚えておくと良いかもしれません。