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ワールドカップのチケットで27万円失った悲惨な話|FIFA|サッカー

ワールドカップチケット

先日、クローゼットを掃除していたら”ある懐かしいもの“が出てきました。

それは日韓ワールドカップのチケットに関する書類

ワールドカップ2002といえば、たくさんのチケット問題が起こりました。

例えば、

  • チケットが完売のはずなのに、試合が始まると空席がたくさんあった
  • チケットが届かない

など。

実は、私もそのチケット問題の被害者でした・・・。

あまり思い出したくない過去ですが、日韓ワールドカップでチケット代金27万円を支払ったのですが、色々とトラブルがあり、そのチケットでは試合観戦できなかったのです。

この27万円は結局、戻ってきませんでした。

当時大学生だった私にとって、この損失は本当に大きなものでした。

ワールドカップチケット
これが、その時のチケットに関する書類↑

封筒には「2002 FIFA WORLD CUP/TICKETING BUREAU」と記載されています。

今回はこの書類と共に当時のやりとりを振り返って行きたいと思います。

ワールドカップ2002チケット問題

当時を知る人であれば説明するまでもないと思いますが、日韓ワールドカップのチケットは非常に入手困難なものでした。

多くのサッカーファン同様、私もチケット国内販売の一時抽選、二次抽選に応募したのですが、全て外れ。

せっかく日本でワールドカップが開催されるんだから、スタジアムで試合観戦したい!

そう思った私は、インターネットを使ってあらゆるチケット入手方法を探しました。

そこで一つ面白い情報をゲット。

それはFIFA公式サイトにあった”Allocated Ticket Series”というもの。

Allocated Ticket Seriesは直訳すると「割り当てられたチケットを意味し、特定の1チームを応援するプランでした。

例えば、フランス代表のAllocated Ticket Seriesを購入した場合、もしフランス代表が決勝まで進出したら全7試合分のチケットを保有できるというもの(グループリーグ敗退の場合は3試合のみのチケットになる)。

このチケットは国内販売とは別枠で、誰でも応募することができたのです。

チケットの料金は一人968ドル(当時のレートで約13万円)

かなり高いチケットですが、どうしてもワールドカップを生で観戦したかった私はこのAllocated Ticket Seriesについて色々と調べ出しました。

非常に危険なチケット

当然のことながら、はじめに日本代表を追うプランを調べたのですが、開催国で入手困難ということで日本代表のAllocated Ticket Seriesは売り出されていませんでした

それならと、欧州・南米の強豪国のAllocated Ticket Seriesを調べたところ、何と応募可能!

このことを周りに話したところ、「俺の分も応募しといてくれ!」という友人が一人現れました。

その友人と話し合った結果、自分たちはスペイン代表の”Allocated Ticket Series”に応募することに。

スペインを選んだ理由は当時、非常に魅力的なサッカーをしていて決勝までいけると踏んでのものでした。

そして、このAllocated Ticket Seriesにスペイン代表で応募したところ、国内抽選で外れまくっていたのが嘘のように当選でしたのです。

やっとで念願のワールドカップチケットを手にできた!

当選した時は、天にも昇る気持ちでした。

がしかし、これが悲劇の始まりへ。

色々な条件を考えると、このAllocated Ticket Seriesは自分たちにとって非常に危険なチケットだったのです。

ギャンブルに近いチケット

Allocated Ticket Seriesはギャンブルに近いチケットでした。

その理由は2つあります。

一つ目は試合数が定かではない点

前述の通り、このチケットは一つのチームを追うプラン。

つまり、決勝進出して7試合の場合も、グループリーグ敗退で3試合の場合も同じ値段968ドル(約13万円)なのです。

決勝まで進出した場合、チケット1枚あたりの金額は1.85万円となりますが、グループリーグ敗退の場合はチケット1枚あたり4.3万円にもなるのです。

改めて振り返ると、とんでもないリスキーなチケット。

がしかし、どうしてもワールドカップのチケットが欲しかった私は、藁にもすがる思いでこのAllocated Ticket Seriesに応募したのです。

今考えると本当にバカですね。

ちなみに、スペイン代表は日韓ワールドカップでは準々決勝敗退でした(韓国代表にPK負け)。

日韓どちらで開催?

2つ目の理由が、日韓どちらで開催されるか分からなかったという点。

「?」の方が多いと思いますので、説明します(もう笑ってください)。

実はスペイン代表のAllocated Ticket Seriesに応募した時点で、日韓ワールドカップの試合会場はまだ決まっていませんでした。

ワールドカップは史上初の共同開催。

もしスペイン代表が韓国での試合開催になったら、韓国まで行かなければなりません。

その為、スペイン代表の試合が日本開催になることを毎日のように望んでいたのは言うまでもありません。

が、しかし・・・非情なお知らせが・・・。

抽選の結果、スペイン代表はグループリーグ3試合を韓国で行うことになったのです。

更には、勝ち進んでも準決勝までずっと韓国で試合

日本で試合をするとしたら、決勝戦のみ。

そう、一番最悪な展開。

見事なまでに、賭けに外れてしまったのです。

チケットの書類【請求書・支払い領収書】

このようなギャンブルに近いチケット、そして韓国まで行かなければならない試合のチケットを私は購入してしまったのです。

ここからは書類を見ながら、詳細を説明。

ワールドカップチケット
こちらが実際にFIFAから送られてきた書類↑

FIFAからは合計2回書類が送られて来ており、大事な書類(請求書)はDHLで送られて来ていました。

ワールドカップチケットスペイン代表を追いかけるAllocated Ticket Seriesの請求書↑

※個人情報は黒枠で伏せています。

ワールドカップ チケット
スペイン代表を追いかけるチケットは1人968ドル(約13万円)

2人分で約26万円でした。

ワールドカップ チケットこちらは支払い書↑

銀行から送金。

チケット代258,746円とは別に手数料が6,500円かかり、合計265,246万円支払うことに。

チケットが送られてこない

スペイン代表の試合が日本開催にならなかったことは残念だ。

でも、こうなったら韓国まで観に行ってやる!

そう思っていた矢先、更なるトラブルが発生します。

待てど暮らせど、FIFAからチケットが送られてこないのです。

チケットの支払いが完了したのが2月初旬。

しかし、4月中旬になってもチケットに関する情報は何も送られ来ませんでした。

日韓ワールドカップの開幕は5月31日、スペイン代表の初戦は6月2日(スロベニア代表戦)。

日本から韓国に行くとなると、飛行機のチケットからホテルの予約までしなければなりません。

当然、手元にチケットがないまま予約するのはかなり不安です。

ワールドカップ チケット
改めてFIFAから送付されていた書類を見ると

入金確認から6〜8週間後に確認書(チケット購入証明書、チケット情報の詳細)を送る

と記載されています。

2月初旬に支払い完了。

4月中旬になっても何も連絡がないのは明らかに変。

当時、不安を募らせてはこの書類に何度も目を通したものです。

FIFAに連絡

おかしいと思った私は、FIFAにメールをして詳細確認することに。

当時、日常生活で英文を書く習慣がなかった私は、辞書を片手に何とか拙い英文を作成。

※注意点
当時使用していたメールアドレスは長期間使用しなかった為、凍結されて使用不可に。
その為、下記のメール内容は記憶を元に再現したものになります。
細かい表現の差はあるもしれませんが、内容自体はそのままのものです。

送った内容は

Allocated Ticket Seriesの支払いを2月初旬に済ませたが、4月中旬になっても何の連絡もない。
チケットはいつ送られてくるのか?

というもの。

意外とFIFAからの返信は早く、下記の内容が↓

今、詳細確認をしている。もう少し待ってくれ。

しかし、その後、連絡はなかなか来ず。

時期はもう4月下旬になっていました。

GW目前。

飛行機のチケットのこともあり、焦りが募り、再度こちらから連絡することに。

内容は

私は日本人で、韓国まで飛行機で行く予定だ。
試合のチケットが手元にないと不安で飛行機のチケットが取れない。

というもの。

それに対し、FIFAの返信がこちら↓

試合の数日前にAllocated Ticket Seriesのコードをメールで送るので、それをプリントアウトしてスタジアムのチケットセンターへ持って行ってくれ。

ここで初めて郵送ではなく、電子メールでチケット情報を送ると伝えられます。

正直、これは想定外の展開でした。

今でこそオンラインチケットなどは当たり前になっていますが、当時はスマホやwifiがないガラケーの時代。

チケットコードが電子メールで送られてくる?

海外でメールの内容を確認(試合前日には韓国にいるはず)し、プリントアウト?

軽いパニックです。

そして、それ以上にそのチケット情報は本当に送られてくるのかという不安がありました。

それまでのやりとりを通し、FIFAに不信感があったのです。

そんな中、最後にこちらから送ったメールの内容は下記の通り↓

そのチケットコードをすぐに送ってもらうことはできないか?

試合チケットが手元にある確証がないまま、韓国への飛行機チケット、ホテルを予約することはリスクがある。

支払い完了後6〜8週間後にチケット情報が送られてくるはずなのに、試合前日までにというのはおかしい。

当初の内容と違う。

今、自分は大学生で27万円というのは大金だ。

すぐにチケットコードを手にできなければ、キャンセルしたい。
返金してほしい。

最後は泣き寝入りも入っていました。

しかし、当時、大学生だった自分にとってこの27万円はかなりの大金(ほぼ全財産)。

バイトしまくって貯めたお金をこんなことで失うわけにはいかなかったのです。

それに対してのFIFAの回答がこちら↓

チケットコードの発行には時間がかかる。
一度支払われたものは、キャンセルできない。
返金できない。

結局、このAllocated Ticket Seriesで試合観戦することはなく、チケット代金27万円も返金されませんでした。

友人のチケット代を立て替えていたのですが、気弱な私はないものを友人に請求できず、一気に27万円を失うことになったのです。

このAllocated Ticket Seriesはその後ちょっとした続編があるのですが、ここでワールドカップのチケットに関して急展開があります。

ワールドカップ一ヶ月前にチケット選び放題?

それはAllocated Ticket Seriesを諦め、ワールドカップ観戦自体もないものだと思っていた時でした。

ある夜、他の友人から電話がかかってきたのです。

その友人はこう言うのです。

韓国開催分の試合チケットが余りまくっている。今すぐ買えるぞ!

聞くところによると、韓国人はあまりワールドカップに関心がないのか、大会直前の一ヶ月前になってもチケットが余りまくっていて、日本人でもネット上ですぐに購入できるとのこと。

その内容がすごくて、フランス代表、ブラジル代表など人気チームの試合チケットでも余裕で買えるそうだ。

結局、その友人と韓国へ行き、ワールドカップ5試合を観戦することに。

ちなみに、Allocated Ticket Seriesの件でお金がほぼ無かった私は、友人から人生初の借金をして韓国へ行くことになった(借金は帰国後、バイトしまくって返済)。

ワールドカップチケット
こちらがその時のチケット(1枚は紛失)↑

日本のチケット完売からしたら本当に信じられないことですが、韓国開催分のチケットは余裕で買えました。

自分たちは5試合しか観戦しなかったのですが、韓国開催分ならばおそらく10試合、20試合でも観戦しようとしたら余裕でチケットが取れたと思います。

しかも、ワールドカップ開幕1ヶ月前に。

尚、日韓ワールドカップではチケットに個人名が記載(上記の写真の黒枠部分)されていたのですが、入場の際、チェックされることは一度もありませんでした。

危険なチケットのその後

ここからはAllocated Ticket Seriesのその後。

韓国でワールドカップ観戦をして帰国後、メールを見てびっくりすることになります。

結局、FIFAからスペイン代表を追うAllocated Ticket Seriesのメールは来ていました。

しかし、それはスペイン代表第3戦(南アフリカ代表戦)の数時間前のことでした。

そう、そのチケットを当てに韓国に行っていたら、スペイン代表の初戦(スロベニア代表戦)には間に合わなかったのです。

本当に危ないところでした。

というか、詐欺・・・。

会場で感じたチケット問題

日韓ワールドカップのチケット問題はその他にもありました。

前述の通り、韓国で5試合観戦することができたのですが、そこでも不可解なことがいくつかありました。

5試合のうち3試合はカテゴリー2(上から2番目に良い席)を選択していたのですが、明らかにそれよりも値段の低いカテゴリーの席が用意されていました

日韓ワールドカップこちらは水原スタジアムで行われたブラジル代表vsコスタリカ代表のカテゴリー2↑

通常、カテゴリー2といえば、メインスタンドかバックスタンドになるはずですが、場所はゴール裏2F席の端っこ。

明らかにカテゴリー3の席。

ちなみに、日韓ワールドカップでカテゴリー2は100ドル、カテゴリー3は60ドルでした。

この他、会場内で他のチケット問題を目にする機会も。

現地に行った方ならばわかると思うのですが、韓国には多くの日本人が観戦に訪れていました。

おそらくは、日本でチケットをゲットできなかった人たちが韓国に流れて来ていたのだと思われます。

ある試合会場で、二人組の日本人がこう話しかけて来ました。

席は指定された通りでしたか?

話を聞くと、チケットに記載されている席に行くと、知らない人が既に座っていたとのこと。

自分の席と主張すると、その人も全く同じ番号が書かれたチケットを見せて来たらしいのです。

どちらかが違法なコピーをしていない限りは、座席のダブり。

明らかにシステム上のエラーです。

結局、その2人は離れた席に座って別々に応援していました。

まとめ

以上、ワールドカップのチケットで27万円を失った話でした。

日韓ワールドカップといえば、初の共同開催ということ以外に、このようなチケット問題も記憶に残るところ。

今は流石にこのような問題はないと思いますが、今後、ワールドカップを現地観戦する方はチケット購入の際には十分に気をつけてください。

特に言葉が上手く通じない遠い場所の海外から購入する際は要注意です。

一度、海外に代金を支払ってしまったら、どのような理由でもキャンセル・回収するのは難しいです。

チケットに限ったことではありませんが、海外から大きな買い物をする際は細心の注意を払うようにしましょう。

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