Contents
中島翔哉への批判
今年2月にカタールリーグのアル・ドゥハイルSCへ完全移籍した中島翔哉。
ポルティモネンセでの活躍から、より高いレベルへの移籍が噂されていただけにその決断は周囲を驚かせた。
また、カタールリーグのレベルが低いこと、年俸が5億円ということから移籍に否定的な意見も数多く見られた。
実際に中島翔哉のデビュー戦の動画、活躍を取り扱う記事のレビューを見る限り、9割方がネガティブな意見ばかりだった。
例えば、
”こんな空席ばかりのリーグでプレーして楽しいのか”
”お金目的だったんじゃないか”
などだ。
中島翔哉のキリンチャレンジカップ
はっきり言って、カタールに移籍したことで日本サポーターの中島翔哉に対する目は変わったことだろう。
特にそれは価値観の面でだ。
中島がよく口にする”楽しいサッカー”とは一体何なのか?
その中島翔哉は、3月に行われたキリンチャレンジカップの日本代表メンバーに選出された。
そして、周囲を驚かせることになる。それは良い意味でだ。
カタールリーグへ行ったことでレベルが落ちたのでは? そう思っていた人もいたはずだ。
しかし、中島は22日のコロンビア戦(先発出場)、26日のボリビア戦(後半途中から出場)で明らかに一人だけ目立っていた。
それはピッチにいた22人の中でだ。ファルカオやハメス・ロドリゲスよりも輝いていた。
遊び心のあるドリブル、華麗なトラップ、正確なパス、意外性のあるシュート。
どれも見るものを引きつけた。
彼がボールを持てば何かやってくれるのではという期待感がそこにはあった。
特に印象的だったのはボリビア戦。
日本代表は前後半を通じて単調な攻めで攻撃に活路を見出せなかった。
しかし、後半17分に中島がピッチに投入されると一気に流れが変わった。ドリブル・パス・フェイントで日本にリズムを生み出したのだ。一気に試合の流れが変わった。
そして投入から4分後の後半21分には決勝点となるゴールも決めてみせた。
中島がボールを持つ度に、スタジアムの観衆が彼に期待を寄せるのがテレビ越しでも伝わってきた。
おそらくスタジアムで観戦していた人たちは、中島のプレーを見ただけで今日来て良かったと思ったはずだ。
このように中島の楽しむサッカーは健在であることが立証された。
しかし、カタールに移籍してからまだ2ヶ月しか経っていない。
本当の真価が問われるのはこれからだろう。
他の海外組と違って、中島の場合、うまく活躍できなくなったら批判される対象が多すぎる。全盛期に特段レベルの低いマイナーなリーグへ行ったこと。それなのに高給取りになったことだ。
それらの批判を跳ね返すには、今回のキリンチャレンジカップで見せたような人をワクワクさせるプレーが必要。
それをいつまで続けることができるのだろうか?
今後の中島のプレーに注目したい。
もちろん、良い意味で驚かされることを願うばかりだ。