コパ・アメリカとTCL
6月15日に開幕したコパ・アメリカ。
まだ始まって間もないが、VARによるゴールの取り消し、開催国ブラジルの不振、コロンビアがアルゼンチンを撃破、日本代表が0−4で完敗など既にたくさんの出来事が起こっている。
そのコパ・アメリカ、試合を見ているとピッチ外でも色々と気になることがある。
それはスポンサーだ。
南米ということで日本では見慣れない企業の広告が目立つ。
昨年のロシアワールドカップ同様、全文中国語の広告もよく見られる。
その中でも特に気になる広告がある。
それは、TCLだ。
おそらく、同じように気になっていた人も多いはずだ。
とにかく、このTCLという文字のコパ・アメリカでの露出具合が半端ないのだ。
電子広告での表示はもちろんのこと、主審のユニフォームの両腕部分や選手交代の電子ボードにもTCLの文字がデカデカと入っているのだ。
あまりにも「TCL」という文字の存在が大きすぎて最初はFIFAのような何かしらの機関かと思ったのだが、調べてみると民間企業だった。
気になったのでTCLについて色々と調べてみた。
TCLとは?
TCLは中国の電気機器メーカー。
本社は広東省にあり、設立は1981年。
携帯電話やパソコン等、家電製品全般の製造を手がけている。
主力製品はテレビ。
特に4Kテレビは低価格を売りにシェアを順調に伸ばし、今ではテレビの世界シェア5位につける。
日本法人は2015年に設立されており、2018年秋からは日本のテレビ市場にも進出。
ネット上でTCLの製品を色々と調べてみると、既にビックカメラやamazonなどでも販売されていた。
ご覧のようにamazonで「TCL」と検索すると多くのテレビが表示される。
余談だが、TCLは北米市場には2013年に参入している。
当時、北米では全く無名のメーカーだったが、販売チャネルをamazonに絞り込み、低価格を大々的に打ち出し販売を始めたところ、あっという間にアメリカamazonでのテレビ売上No1になったそうだ。
そういう意味では、TCLはアメリカ大陸では既にそれなりの認知度があるということになる。
スポーツとスポンサー
スポーツとスポンサーといえば、個人的にはある印象深いエピソードがある。
それは、90年代中頃だったと思う。
その年、日本で開催されていた世界バレーのCMには、当時全く聞いたことがない企業のCMがバンバン流れていた。
うる覚えだが、ダンサーたちがその企業名を歌いながら踊るというちょっと変わったCMだった。
当時はそれが何の企業だか分からなかったが、そのCMの効果もあり企業名だけは頭の中にずっと残っていた。
その企業はそれから数年、日本市場で見ることがなかったが、今や世界トップレベルの企業へと成長した。
それは韓国のサムスン電子だ。
いろんなことを加味すると、スポンサーにとってまず一番大切なことは企業名・ブランドを認知してもらうことではないだろうか。
そう考えると、コパ・アメリカを通じて我々は既にTCLの戦略にハマりつつあるのかもしれない。
企業名を知っているかどうかは、商品を購入する際の判断材料として大きな役割を持つ。
全く同じ内容の商品でも「知らないメーカー」よりも「コパ・アメリカのスポンサー」の方が親しみが持てるはずだ(特にサッカーファンには)。
今大会、コパ・アメリカにおいてTCLという企業名の露出具合はすごいものだ。
今大会で企業認知度を高めたTCLは、今後一気に世界でのシェアを増やす可能性もあるかもしれない。
このようにピッチ外の面にも注目して見ると、コパ・アメリカをもっと楽しめるかもしれない。
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